キンコン西野「印税いらない!!」
「僕のビジネス書なんて、普段の僕の活動の副産物で、僕は普段の活動で食っていけるので、ビジネス書(副産物)の印税なんて1円も要りません」
キングコングの西野亮広さんの新しいビジネス書『新世界』が発売されました。
絵本『えんとつ町のプペル』、ビジネス書『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』、『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』など、何冊も本を出している彼。
芸人としてだけでなく、他の分野でもかなりの存在感を発揮している。
ちなみに、『革命のファンファーレ』は知人の勧めで読んでみたが、なかなか面白かった。
一応フォローしておくが、決して
「俺は、金あるから印税なんたはした金いらねーよ」
とかいういけ好かない発言なんかではない。
「ビジネス書を出すのは、本の売り上げ=印税として収入を上げるよりも、他のことで大きな効果がありますよ。」
という意図の発言だと僕は解釈している。
ただ、それでもこの発言はかなり意見が分かれると思う。
日刊スポーツの記事によると…
- ビジネス書は副産物だから、印税は無くても問題ない。
- 新聞の見開き広告に、新刊の前書きを全文公開した。→自著の広告として、自費で行った
- 新聞広告の効果もなくても、実験として意義がある。
とのこと。
そして、この記事、西野さんのブログでの発言や告知を下敷きに書かれたものみたい。
ということで、実際にブログを読んでみました。
彼の考え方としては、
・ビジネス書の報酬を印税=お金として受け取ること
よりも、
・自身のオンラインサロンの活性化につなげる
・今後のビジネス書のネタになる
など、それ以外のお仕事に発展させる方が大きいと思っているようですね。
これ、面白いな。
本を出すってときに、本という製品を売り上げるというポイントだけでなく、他の部分でのマネタイズを考える。
出版物の存在感が低下する現代で、こうやって新しい本の使い方をできる人は面白いと思う。
もちろん、作家以前に他の仕事で生活の基盤があり、
なおかつビジネス書の出版を印税以外の形でお金に変えることができる仕組みをすでに持っているからこそできる発言ではある。
ただ、ブログ内で西野さん本人も言及していたのだが、
「西野は印税もらってない→他の奴ももらうな」
という論理の飛躍だけは絶対に見たくない。
あくまで、本を書く人たちのほとんどは、印税という仕組みでお金を稼いでいる。
その中で、自身の他の仕事の都合とか、財力の都合とかで、違うやり方を選ぶ人がいる、というだけ。
作家さんたちには、本を書く対価として、印税をしっかりいただいて欲しい。
これが絶対的な前提条件。
この前提を忘れない、という約束さえ守れば、これからの本にまつわるビジネスのあり方を考えるヒントになるかもしれない。
話はそれるが、自分が書いた本を、note で全文無料公開している人が何人かいる。
もちろん超のつく少数派だが、確かにいる。
正直、常識的に考えれば意味が分からない。
本来有料の本をネットで無料公開するなんてどう考えてもおかしい。
たぶん、この人たちにとっては、本の売り上げによって生じる印税よりも優先したい何かがあるということなのだろう。
それが他の仕組みを活かしたマネタイズの手段なのか、どうしても世の中に訴えたい首長なのか、または全然違う何かなのか。
それは分からない。
これまでの本というビジネスの発展形として、ちょっと変わった形で本と向き合う人がいる。
そう捉えて、楽しんでいきたい。