始めて読んだ本
「初めて」や「最初の」というのは、とにかく記憶に残る。
少年野球で初めてヒットを打った時の感触。
初めて一人で電車に乗って遠出した時のわくわく。
上京し大学に入って最初の友人。
そして、初めて読んだ小説。
僕が初めて読書をしたのは、
小学一年生のときに『ハリーポッターと賢者の石』を読んだとき。
- 作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: ハードカバー
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当時、公開されていた映画を親に連れられて見に行き、原作を読みたくなったのだろう。
親に強請って、買ってもらった覚えがある。
それまでに読んでいた絵本や児童書とは段違いに分厚く、重い。
初めて「本を読む」ことを意識した。
(厳密には「ハリー・ポッター」シリーズも子ども向けかもしれないが…)
小学一年生の僕には、なかなか手ごわく、読み終わるのに10日以上かかったことも覚えている。
幼い僕は、周りの大人に読んだことを自慢しては褒めてもらい満足した。
活字への抵抗感みたいなものがないのはこのおかげかもしれない。
そして、僕にとってはもう一冊、最初の本がある。
それは、「大人の読む小説」を初めて読んだときの記憶だ。
(ポルノ小説のことではありません…)
小学生の僕にとって、書店で文庫本コーナーに置かれている小説たちは、
大人用のもので、なんだか距離を感じていた。
周りの子どもたちも知っているハリー・ポッターなんかとはさらに別の世界のような気がしていた。
そのため、父親が買ってくる小説群に手を出すのは何となく気後れしていたような気がする。
そんな僕が、父親の書棚から初めて持ち出した本は、高村薫の『黄金を抱いて翔べ』だ。
たぶんきっかけは、タイトルか表紙がかっこよかった、といったところだろう。
10歳かそこらのガキは黄金とか金色とかがやたら好きだから(笑)
銀行の地下から金塊を強奪する。
壮大で心躍るストーリーだった。
そうして読書の楽しさを知り、父の買ってくる本を次から次へと読むようになった。
(推理小説やサスペンスが多かったような気がする。)
何百、何千という小説を読んできた皆さんにも、必ず最初の一冊があるはずです。
皆さんにとっての最初の一冊って何ですか?
きっと今でもその一冊は印象深く心の奥底に刻みこまれているのではないでしょうか。