「どこでもできる」 これって、本を読むという娯楽の長所の一つだと思う。 場所も取らないし、周りに迷惑をかけることもない。 特別な道具や施設もいらない。 本を一冊持っていらばそれでいい。 自分が本を読みたいと思えば、その瞬間から読書を始められる。…
松崎洋『走れ!T校バスケット部』 いまさらだけど、僕は、本が好き。 小説が好き。 でも、漫画も好きだし、アニメも、ドラマも、映画も好き。 要するに、物語の世界が大好きなんですよね。 フィクションを楽しむなかで、一番好きな媒体が小説ってだけ。 映画…
ブクログというWebサービスを知っていますか?? ブクログでは、オンライン上で、自分の蔵書を管理したり、読んだ本のレビューができる。 そんなブクログのユーザーを中心としたネット上の声をもとに選ばれるのが、ブクログ大賞だ。 ブクログ大賞の公式ペー…
阿川大樹『終電の神様』 帰り道に立ち寄った本屋さんでこの本を目にした。 ちょっとメルヘンチックな表紙に、「終電」と「神様」の文字が躍る。 少し不思議な組み合わせ。 『終電の神様』というタイトルと表紙のイラストに惹かれて試しに購入してみた。 ちな…
うえお久光『紫色のクオリア』 今日は、これまで読書感想文を書いてきた小説の中で、 おそらく最も知名度が低い本を紹介しようと思う。 2009年7月に電撃文庫から刊行されたSFライトノベル。 それが、うえお久光の『紫色のクオリア』。 そもそもライトノベル…
「読後感」という言葉がある。 辞書を引くと、「本などを読んだあとの感想」とあった。 うん…。たしかに…。 何の文句もない。 …それであっている。 だが、一般的にある小説の「読後感」を語るとき、 その言葉が指す意味は、辞書から少しだけ離れているような…
太宰治『晩年』 夏目漱石の『こころ』 森鴎外の『舞姫』 どちらも、国語の教科書の定番だ。 授業で読んだ、という人も多いはず。 「教科書なんて開いたことない!!」なんて言う不真面目な学生ならともかく、 夏目漱石や森鷗外の文章は多くの人が読んだこと…
全国の書店員の声によって選ばられる本屋大賞。 本屋の目線で、その年一番売りたい本を決定する賞。 本屋大賞HPによると、その概要は… 書店員の投票だけで選ばれる賞です。「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決…
今日は、大学の帰り道に神保町に寄り道してきました。 東大文学部のある本郷キャンパスを出て、本郷三丁目駅から丸の内に乗ったそのとき、 「そうだ神保町に行こう」 と思いついた。 丸の内御茶ノ水駅で電車を降り、 明大通りを10分ほど歩くと三省堂書店神保…
見城徹『読書という荒野』 見城徹のプロフィール ・編集者 ・大学卒業後、廣済堂出版に入社 ・後に、角川書店に入社し、たくさんのベストセラーを手掛けた →森村誠一『人間の証明』、五木寛之『燃える秋』、つかこうへい『蒲田行進曲』等 ・幻冬舎を創業し、…
井上夢人『魔法使いの弟子たち』 井上夢人の『魔法使いの弟子たち』の魅力を語るのに、あまり多くの言葉はいらない。 ただただ面白い。 それがこの本を読んだ僕の正直な感想だ。 感動するとか、学びがあるとか、悩みが解消されるとか、文学的側面でのすばら…
ため込んだ石をつぎ込んで、10連ガチャを回す。 最高レアリティの☆5はなかなか出ない。 もう一度…。 出ない。 ここで諦めたら、これまでに使った石がもったいない。 仕方ない。 〇〇円だけ…。 お!!これは、☆5の演出だ!! …なんで…もう、持っているキャラ……
こだま『夫のちんぽが入らない』 「なあ、何読んでるん?」 友人からの無邪気な質問が飛んでくる。 場所は大学のラウンジ。 周りはけっこう人が多い。 友達同士で談笑する人。 スマホを開いて時間を潰す人。 分厚い学術書と格闘する人。 この空間で声高らか…
心の底から面白いと叫びたくなるような傑作に出会ったとき、 その小説を読んだ記憶を消し去って、 もう一度、まっさらな状態で読み直したい! と思ったことはありませんか。 この先、これ以上の傑作に出会えるのかという不安。 そして、この小説を何度読み返…
伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』 11月1日の午後。 SNSにどっぷりつかった現代社会の申し子である僕は、 いつも通り、スマホの電源をつけ、青地に白い鳥のアイコンをタップし、画面を指でなぞった。 ルーティンをこなす僕は、友人・知人の他愛ないツイ…
朝井リョウ『何者』 何者 (新潮文庫) 作者: 朝井リョウ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (24件) を見る 『何者』のキーワードは、就職活動とSNS。 5人のそれぞれ個性的な大学生が、就職活動に挑む様子が描…
読書の秋 スポーツの秋 食欲の秋 ○○の秋、という言葉は果たしていくつあるのだろう。秋という季節はイベントが少ないから、その分こうして人々を急き立てて、購買意欲を生み出そうとしてるんだ。 なんて話を聞かされたことがあるのだが、本当だろうか。昨今…
高林さわ『バイリンガル』 僕は、これまで読書感想文を書くにあたって、 紹介する本についてネガティブな表現は控えるようにしてきました。 未読の人にとっては、この先の素晴らしい読書体験の阻害になるし、 読んで面白かった!と思っている人にとっては、…
五木寛之『親鸞』 古い時代の話で、しかも、宗教がテーマ。 読みにくい小説オーラが立ち込める本書。 しかし、意外なことに、読んでみるとスラスラ読める。 月並みに表現だが、読みやすくて面白い。 五木寛之の『親鸞』という小説は、もちろん実在の人物・親…
車内で本の朗読が聴ける。 そんな「図書館タクシー」なるものが、 今日から11月11日まで、都内を走るらしい。 日本交通と、 本の朗読音声の配信サービス「オーディオブック」のオトバンクが、 読書週間に合わせて共同で企画したらしい。 タクシーに乗ったら…
「趣味はなに?」 「読書かな。休みの日はよく本を読んでるよ」 「そうなんだ。じゃあ、速読できるの??」 「三大・本好きがされる質問」の一つがコレ。 速読できるの?? である。 残りの二つは、 自分で小説書かないの? と、 漫画は読まないの? である…
川村元気『億男』 弟の借金を肩代わりし、昼夜問わず働いて、「お金の問題」で妻と娘とも別居中。 そんな一男が、宝くじで三億円を当てる。 急に大金が降ってきたことで一男は不安になり、 大学時代の落研仲間で親友の九十九に会いに行く。 実は、九十九は大…
梅田悟司『「言葉にできる」は武器になる。』 突然ですが、問題です。 「バイトするなら、タウンワーク。」 これ何のキャッチコピーか分かりますか? ごめんなさい。 馬鹿にしているわけじゃないんです。 これほど明快なコピーもあまりないですよね。 一応、…
今、エッセイが熱い?? 森下典子の『日々是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』が、 エッセイ作品としては始めて、文庫本の売上ランキングで1位になったそうだ。 茶道教室に通った25年間を綴ったこの作品は、10月13日に映画も公開された。 樹木希林…
「今年のドラえもんの映画の脚本、辻村深月らしいよ」 昼ご飯を食べていたときに、友人がふと口にした。 最初、小説家・辻村深月とアニメ・ドラえもんが結びつかず、困惑した。 本当かな?と半信半疑で調べてみると、ダ・ヴィンチニュースの記事を見つけた。…
早瀬耕『未必のマクベス』 『未必のマクベス』は奇跡の一冊だ。 無名の作家、早瀬耕。 元々、この作家を知っていたという読者は1%もいないだろう。 20年以上前に一度、SF小説を書いただけ。 『未必のマクベス』も刊行当初は全く売れていなかったそうだ。 た…
米澤穂信『王とサーカス』 これまでに書いてきた、僕の感想文。 なんだか、少し古めの本が多いですね… そこで、たまには、今、本屋で売れている本を題材にしてみようかなと…。 今回は、米澤穂信の『王とサーカス』の感想文です。 先日も『氷菓』の感想を書い…
「初めて」や「最初の」というのは、とにかく記憶に残る。 少年野球で初めてヒットを打った時の感触。 初めて一人で電車に乗って遠出した時のわくわく。 上京し大学に入って最初の友人。 そして、初めて読んだ小説。 僕が初めて読書をしたのは、 小学一年生…
原田マハ『総理大臣の夫』 原田マハが『月刊ジェイ・ノベル』(実業之日本社)に連載した本作。 先日、彼女の『暗幕のゲルニカ』を読んだ数日後のこと。 (原田マハ『暗幕のゲルニカ』の感想文も時間があったら読んでみてください。) arce.hatenablog.com …
歌野晶午『そして名探偵は生まれた』 僕は、「歌野晶午」というペンネームが大好きです。 美しいペンネームランキングを作るとしたら、間違いなく上位に入ります。 ウタノショウゴという響き、そして字面、すべてが完璧。 自分自身で名乗りたいぐらいです。 …